ジャンルや形容詞がまるっきり当てはまらないMartijn Deijkers独特の一連の低音は、ファンや愛好者の間で単なる'Martyn Music'でとして通っている。
2009年のダブステップ・シーンの要となったそのサウンドとデビューアルバム'Great Lengths'は、今日に至るまで、文字通りサイコーに怒涛なアルバムの一枚に数えられ、パンキッシュで型に収まることを嫌うMartynのキャラクターは、その作品全てに見る事が出来る。並外れたタイミング感と余裕の姿勢を持って、フロアを操る彼のミュージックはその相対的なシンプルさの中に聴く者をどんどん引きずり込んで行く。まったりシンセが打ち込みのビートに乗って、いい感じにユルい低めの周波数で揉まれて解けていく~というその醍醐味は、彼にとって初のミックスCDでもある'fabric 50'の中にも際立って現れている。
Martynは、このようなエッセンスを織り合わせ、聴けばすぐ「あ、Martijn Deijkersだ」とわかるナマなソウルとパーカッションのうねり、そしてキラめくフリークエンシーが宿る彼ならではのシンセ使いの中にフロアを融合させて行く。入念に構成されたMartynのDJセットを、2009年後半に一度でも体験する事の出来た人なら誰でも、そのスムーズなビートとグルーヴを完璧にディープに展開させて行く見事な様を語る事が出来るだろう。一方でHudson Mohawkeの'Joy Fantastic'やLevon Vincentの'Air Raid'など、どんなフロアでも通用すると言う訳にはいかない難易度高いトラックを盛り込んだ、嬉しいサプライズが目一杯詰まったミックスで、このオランダ人DJの今の音楽観点をオープンに直球で見せてくれている。
「このミックスCDは全部一発録りでやった、その方が良くある『オレはこんなに凄い技が出来るんだぜ』的DJなものにするよりも真っ当だと思ったから。そしてこれが僕のライヴそのままだよって言うのを聴いて貰える-このCDは全部が全部完璧って言う訳じゃぁない−そういうんじゃないんだよね。僕のセット、僕の音楽にも言える事なんだけど、もうしょっちゅう細かいところで、ああここはもっと良く出来た筈とか、もっとスムーズにつなげられたなぁとか、キリがないんだけれど、僕にとってはそれこそが音楽の魅力なんだ。できるだけナマでストレートなものであって欲しいんだよね。」
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