The Black Dogには説明書きなど必要無い。UKエレクトロニカ・シーンで最も影響力のあるアーティストの一人として認知され、彼らの名が表すものこそUKにおけるエレクトロニック・ミュージックの興隆と同義であると言える。概して、彼らのディープで革新的な音楽に対するアプローチは、そのリズミックな創作力と相まって、彼らを新しい音楽の血統の到来を完全に告げるUKテクノのパイオニアたらしめている。
一月に発表された、活動初期における3枚のEPと名高い『Parallel』アルバムの再発を含む2枚組CDコレクション『Book Of Dogma』で各方面から絶賛を受けた後、SOMAレーベルは今回再びIDM(Intelligent Dance Music)の深淵の中から、もう一枚The Black Dogのクラシックを引っ張り出して来た。
彼らのWarpレコードとの契約に遡る事2年、『Temple Of Transparent Balls』は1993年にアバンギャルドで先進性を兼ね備えたGPRレーベルよりリリースされたThe Black Dogの記念すべきファースト・アルバムだ。その発表と同時に、まさに立ち上がろうとしていた当時のUKテクノ・シーンの青写真と重なり、そのサウンドは、時を隔てた今でも全く古びることなく未来を感じさせてくれる。しかもアルバムはデジタル時代の新たな生命の息吹を得て再編集、完全にリマスタリングを施され、現代の感覚を持つ耳を納得させるべく新たな聴衆の獲得を目指した仕上がりになっている。それでいて尚且つ、既に耳に馴染んだあのThe Black Dogサウンドに対するノスタルジアを感じさせずにはいられない。
メンバーの一人Ken Downieが「20年だろうと200年だろうとその曲の古さなんて関係無い。時代を超えて良い曲は良いんだ。」と言う様に、彼の言葉は確かにこれらのクラシックの存在に説得力を持たせている。
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