音へのこだわりで知られる東京都恵比寿のバー・ジャム。このバーで、2006年から毎第1金曜日に繰り広げられるライト・ライト・ライト。それは東京アンダーグラウンドのDJ、マットとドクターロブによる「世界からの、左よりの音」の夜である。そこでしか聴けない音楽がある。
マットは海賊ラジオDJの父親のもと、デビットボーイ・ロキシーミュージック・サンタナ・ロバートパルマーを哺乳瓶に混ぜ込まれて育った。八十年代に熱狂的なレコード・カセットテープ・ベータマックスビデオのコレクターとなり、初期のエレクトロストリートサウンドとブレイクダンスのジャムに参加するようになっていった。八十年代中期にベータマックスビデオが息絶え、その後はリーズの倉庫をダンスフロアとしたレコードへの愛着を育んだ。九十年代初期は、M62への毎週巡礼を欠かさず、ハシエンダとイースタンブロックのレコードを拝み、DJハービー・アンドリュウウェザオル・デリックメイのバック2ベイシックに通った。この影響を受け、バック2ベイシックの伝説的なインプレサリオのマントラに没頭した時代を送り、イブベアの世界、ファンクジャンクアンドワットユーライクからベーシックサウンドを掴む。今日も、凸凹道を歩む先を照らすのは、ファンクジャンクアンドワットユーライクの懐中電灯であることは間違いない。
いつもエレクトリックに惹かれていた。バンバーター・マンキューソ・アルフレド・バルデリ・ウェザオル・ハービー。バレアリックとアシドハウスの希望と無の世界へ、意図的に降参していったあの時から、ドクターロブはDJをひたすら続け、情熱的なレコード収集を止まない。現在は、忘れられた音とその中に住む秘密のお話に、病的なほどの愛情を育み、キープアンオープンマインド(決めつけないで行こうよ)をモットーとして掲げている。ところでドクターロブは、ドクターである。