ポップはサウンド、ポップはメロディ、ポップはフィーリング:ちっちゃいけれど素敵で巨大なフィーリング。長く長く心に残るフィーリング。彼らにとってこのフィーリングはもう6年も続いている。ベルリンのPrenzlauer Berg エリア, Raumerstrasse通りに位置するこのサウンド収蔵庫。まあ、アドレスはこの場合別に重要でもないけど。重要なのは
ワイルハイム、ミュンヘン、ウィーン、アントワープ、オークランドそして、言うまでもなくベルリンのアーティストたちのサウンドなんだ。時にメランコリックで、秋なサウンド、時に夜明けっぽく。コンテンポラリーな室内楽でいて、ポップの欠片が湧き立っている。ホワイトノイズ、フォークソング、アブストラクト・ヒップホップ、エレクトリックにリスニング。
こういったサウンドをこよなく愛したのが Thomas Morr。こういったサウンドを拾い集めては、世界中のリスナーたちに送り出している。彼のレーベル Morr Music ではそんなサウンドを出していたが、今ではエレクトロニカのレーベルとして知られるようになった。パワーブックが新しいギターとなり、ギターが新しいパワーブックになるという今日このごろ。サウンドがひとつの曲の再利用となり、エレクトロミュージックはハードディスクをバンドの代わりに置き換えた。こういったプロセスの変換は、すばらしいハーフ・デジタル・ソングライターたちのLali Punaの2001年の作品"Scary World Theory"や Masha Qrellaの "Unsolved Remained"や、Markusと Micha Acher のNotwist兄弟によるTied & Tickled Trioの広大なジャズの景観を生み出していったといえる。もしくはTarwaterのクールでちょっとダークな、1980年代の"the needle was travelling"の再解釈ヴァージョンとか。
Morr Music が始まったのは1999年。今も元気に操業中。Morr自身が彼のレーベルを違った解釈でのポピュラーミュージック(そしてそんなにメインストリーム系ではないポップ)とリンクづけたように、レーベルもまたセルフ管理のDIYで始まり、経済的にも資本は友人たちと情熱だけだった。やがて彼はイギリスにも目を向け、強い興味と同感をもって、そのポップワンダーランドを取り入れ始めた。
Morrのオフィスにあるジュークボックスの上の壁にモリッシーのポスターが貼ってあるからというわけじゃない;でもレーベルの初めてのコンピレーション(2000年)のタイトルは"Putting The Morr Back Into Morrissey"だった。2枚目を出したのはその2年後、"Blue Skied An' Clear"はブリティッシュ・インディ・バンドのSlowdive-このバンドの流れるようなクリアなギターポップはその後多くのエレクトロニカ・アーティストへの青写真となった-ことへのオマージュだ。Morrアーティストたちはこのようなインディとの関わり具合が共通していると言える。サウンドの意義によってMorr Musicは大きく前進してきた。そしてこれからもそのハートの命ずるままによい作品のリリースをしていくだろう。
www.morrmusic.com